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2007年10月10日

手いっぱいの子育て

今日は秋の話から少し離れてしまうけれど
秋が今まで見てきた子どもたちの
家庭について書こうと思う。


15年前に勤め始めたころより,
あきらかに感じる違いは
子育てに手いっぱいの家庭が増えているということだ。

離婚したお母さんが仕事をしながら
必死に子育てをしているケースは
特に増えている気がする。

離婚には人それぞれの理由があるから
わたしはそれを一概に非難することはできないと思う。

朝から晩まで仕事をし,
くたくたになって帰ってきてから洗濯や食事の用意をし
子どもの話を聞いて学校からの手紙を読み
必要なものを準備したり
「宿題やったの?」と聞く。
お風呂に入れて寝かしつけて
自分のことなんてなにひとつする暇なんてない。

いや,自分のことをする暇どころか
銀行に行く暇もなければ
ゴミを出す暇だってないかもしれない。


子どもとゆっくり話をしたほうがいいってことも
宿題をしっかり見てあげたほうがいいってことも
土日くらいどこかに連れて行ったほうがいいってことも
食事はバランス良く食べさせたほうがいいってことも
参観日には必ず顔を出したほうがいいってことも

そんなことわかってるのだ。


でも,現実には生活をするために
とにかく働かなければならない。

そう。
子どものために一番優先させなければいけないことは
生活をするために働くことなのである。



そうやって
疲れた身体にムチ打って働いている
精一杯の家庭になにが言えるだろう。


「もっとしっかり子どもを見てください。」
なんて,わたしは言えない。

「なにかあったらきちんと連絡するから。
 大丈夫だから。学校のことはまかせて。」としか言えない。

本当は学校のことを先生が「とにかくまかせて。」と言うのは
おかしいのかもしれない。
「お母さんも一緒に・・・。」が基本だということは
わたしも知っているつもりだ。


でも,手いっぱいの子育てをしている家庭を
社会全体で支援していくような制度ができないかぎり
わたしは「お母さん,大丈夫だから,まかせて。安心して働いて。」
ということしかできないのである。


そういうとお母さんはぼそっと口を開いてくれる。
「先生。わたしも悪いとは思ってるんだ。
 なんにも見てやってないからさ。」

わたしは必ずこう答える。
「それをそのまま子どもさんに言ってあげて。」


子どもはとても優しい。
「お母さん,どこにも連れていけなくてごめんね。
 悪いと思ってるけど,頑張って働かないとだめなんだ。」

きっといつかその苦労をわかってくれるはず。
わたしはそう信じている。






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