2007年11月15日
Aちゃんのこと
今日は珍しく早く帰ってくることができたので,
この前の続きを書きたいと思います。
いろいろな取り組みをしましたが,
思いつく順番に書きますね。
1.お母さんとの連絡帳を活用する。
Aちゃんは忘れ物の多い子でした。
普通であれば「ちゃんと持っておいで!」と叱りたくなるのかもしれませんが,
どうしても忘れてしまうのだから手助けしちゃおう!と思いました。
それじゃないと,友達同士で「お前,また忘れたの?」と険悪なムードに
なってしまったり,自己嫌悪に陥ったりするからです。
連絡帳には細かく持ち物を書くようにしましたし,
宿題も書くようにしました。
そして,必ず学校であったいいところを書いて,
お家でも「学校でこんなこと頑張ったんだって?」と
ほめてもらうように心がけました。
2.宿題を2~3種類用意して選ばせる。
宿題を毎日必ず2~3種類用意して選ばせることにしました。
算数だったら,基礎基本のようなものと,
今日ならったところのものと,応用問題のようなものです。
「どれでも好きなのやっていいんだよ。」
と言ったら自分で「選べる!」という気持ちになるからか
「宿題なんてきらいよ!」と叫ぶことがなくなりました。
「Aは簡単なのにするの。難しいのはいやなの。」といいながら
簡単な宿題を毎日とっていきました。
→後に,みんなと同じのもやれるようになります。
最初は,全員が一番簡単なのを選んでしまったらどうしよう
と思ったのですが,「自分に一番あったものを選ぶことができるかな?
よーく考えて選ぶんだよ。自分にあったのを選べる人が一番のびるんだよ。」
などと言ってから選ばせたら全然大丈夫でした。
それぞれがあったものを選んでいました。
ただ,毎日3種類用意するのは,確かに忙しいときはきつかったです。
毎週土日に学校に出て,1週間分の宿題を作ってしまうこともありました。
3.友達に理解を得られるように話す。
これは1週間に一回くらいはやったと思います(笑)
よくこんなことを言いました。
次は跳び箱の勉強があるんだけど,
跳び箱8段とべる人いる?(何人か手をあげる)
すごいねー。怖くない?(全然こわくないよー!ととべる子が言う。)
よーーーーし,じゃぁ,今日は全員8段とびます。
(えええええええええええむりーーー。こわいーーーー。と子どもがいう。)
8段とべるまで帰れません!
(えええええええええええ!!!!!)
なんて言われたらどうする?
とべる人は全然平気だけど,
とべない人は泣きたいくらいイヤでしょ?
とべる人は「8段のどこが怖いの?」と思うでしょ?
でも,とべない人にとっては,8段なんて本当に怖いよね。
怖いこともね,みんな違うの。
同じものでも,全然平気な人もいるし,ちょっと怖いなって思う
人もいるし,すごく怖くて泣きそうになっちゃう人もいるの。
だから,先生は怖い人用に,マットでできている跳び箱を
使ったり,4段や5段の低い跳び箱を出したりしているでしょ?
自分に一番あったもので練習するのが一番いいんだよ。
そしてAちゃん用にはゴムとびを用意しました。
Aちゃんはとび箱やマラソンなどが大嫌いだったのです。
「そんなのできるわけないじゃない!」
と泣き叫ぶほどなのです。
だからわたしはみんなの前でいつも
「Aちゃんは何なら頑張れそう?」と聞くことにしました。
跳び箱も最初は,「とぶのは無理。」と言うので,
「じゃあ,マットを直す係をしながらみんなの上手なとび方を見て,
この次頑張ろうか?」と聞きました。
「うん。」
「みんな,Aちゃんに上手な跳びかたを見せてあげてくれる?」
というと,「いいよ!」と言ってくれる子がたくさんいたので,
「よかったね。みんな優しいね。」とほめてあげました。
そして,その次の時間には
マットの上でなるべく遠くに跳ぶ練習をしたり,
ゴムとびを使って練習をしたりするようにしました。
みんなには「Aちゃんはね,みんなが思っているよりも
ずっとずっと跳び箱を跳ぶことが怖いんだから,これでいいんだよ。」
と言いました。
時々,わざと帰りの会でAちゃんを指名して
「今日は,誰の跳び方が上手だった?」と聞くようにしました。
Aちゃんが「うーーん。」と考えて「Fくん!」と言うと,
Fくんはとても嬉しそうにしていました。
「そっか,じゃあ今度も上手な人を見つけて発表してね。」というと
次の授業の時には他のみんなも頑張って見本を見せてくれました。
おっと,もう書き始めてから30分もたってしまったわ。
さて,今日はここまでにして,特別支援のレポートを書きます!
今度はいつ更新できるやら。。。気長にまっていてくださいね。
この前の続きを書きたいと思います。
いろいろな取り組みをしましたが,
思いつく順番に書きますね。
1.お母さんとの連絡帳を活用する。
Aちゃんは忘れ物の多い子でした。
普通であれば「ちゃんと持っておいで!」と叱りたくなるのかもしれませんが,
どうしても忘れてしまうのだから手助けしちゃおう!と思いました。
それじゃないと,友達同士で「お前,また忘れたの?」と険悪なムードに
なってしまったり,自己嫌悪に陥ったりするからです。
連絡帳には細かく持ち物を書くようにしましたし,
宿題も書くようにしました。
そして,必ず学校であったいいところを書いて,
お家でも「学校でこんなこと頑張ったんだって?」と
ほめてもらうように心がけました。
2.宿題を2~3種類用意して選ばせる。
宿題を毎日必ず2~3種類用意して選ばせることにしました。
算数だったら,基礎基本のようなものと,
今日ならったところのものと,応用問題のようなものです。
「どれでも好きなのやっていいんだよ。」
と言ったら自分で「選べる!」という気持ちになるからか
「宿題なんてきらいよ!」と叫ぶことがなくなりました。
「Aは簡単なのにするの。難しいのはいやなの。」といいながら
簡単な宿題を毎日とっていきました。
→後に,みんなと同じのもやれるようになります。
最初は,全員が一番簡単なのを選んでしまったらどうしよう
と思ったのですが,「自分に一番あったものを選ぶことができるかな?
よーく考えて選ぶんだよ。自分にあったのを選べる人が一番のびるんだよ。」
などと言ってから選ばせたら全然大丈夫でした。
それぞれがあったものを選んでいました。
ただ,毎日3種類用意するのは,確かに忙しいときはきつかったです。
毎週土日に学校に出て,1週間分の宿題を作ってしまうこともありました。
3.友達に理解を得られるように話す。
これは1週間に一回くらいはやったと思います(笑)
よくこんなことを言いました。
次は跳び箱の勉強があるんだけど,
跳び箱8段とべる人いる?(何人か手をあげる)
すごいねー。怖くない?(全然こわくないよー!ととべる子が言う。)
よーーーーし,じゃぁ,今日は全員8段とびます。
(えええええええええええむりーーー。こわいーーーー。と子どもがいう。)
8段とべるまで帰れません!
(えええええええええええ!!!!!)
なんて言われたらどうする?
とべる人は全然平気だけど,
とべない人は泣きたいくらいイヤでしょ?
とべる人は「8段のどこが怖いの?」と思うでしょ?
でも,とべない人にとっては,8段なんて本当に怖いよね。
怖いこともね,みんな違うの。
同じものでも,全然平気な人もいるし,ちょっと怖いなって思う
人もいるし,すごく怖くて泣きそうになっちゃう人もいるの。
だから,先生は怖い人用に,マットでできている跳び箱を
使ったり,4段や5段の低い跳び箱を出したりしているでしょ?
自分に一番あったもので練習するのが一番いいんだよ。
そしてAちゃん用にはゴムとびを用意しました。
Aちゃんはとび箱やマラソンなどが大嫌いだったのです。
「そんなのできるわけないじゃない!」
と泣き叫ぶほどなのです。
だからわたしはみんなの前でいつも
「Aちゃんは何なら頑張れそう?」と聞くことにしました。
跳び箱も最初は,「とぶのは無理。」と言うので,
「じゃあ,マットを直す係をしながらみんなの上手なとび方を見て,
この次頑張ろうか?」と聞きました。
「うん。」
「みんな,Aちゃんに上手な跳びかたを見せてあげてくれる?」
というと,「いいよ!」と言ってくれる子がたくさんいたので,
「よかったね。みんな優しいね。」とほめてあげました。
そして,その次の時間には
マットの上でなるべく遠くに跳ぶ練習をしたり,
ゴムとびを使って練習をしたりするようにしました。
みんなには「Aちゃんはね,みんなが思っているよりも
ずっとずっと跳び箱を跳ぶことが怖いんだから,これでいいんだよ。」
と言いました。
時々,わざと帰りの会でAちゃんを指名して
「今日は,誰の跳び方が上手だった?」と聞くようにしました。
Aちゃんが「うーーん。」と考えて「Fくん!」と言うと,
Fくんはとても嬉しそうにしていました。
「そっか,じゃあ今度も上手な人を見つけて発表してね。」というと
次の授業の時には他のみんなも頑張って見本を見せてくれました。
おっと,もう書き始めてから30分もたってしまったわ。
さて,今日はここまでにして,特別支援のレポートを書きます!
今度はいつ更新できるやら。。。気長にまっていてくださいね。
2007年10月28日
目に見えない困難さ
アスペルガー症候群のAちゃんについては
秋のHP『言葉のチカラ』に載せたことがありますが,
今日はその子について書きたいと思います。
彼女とは3年生の時に出会いました。
その時にはまだなんの診断もされていませんでしたが,
彼女の特徴はアスペルガーそのものでした。
場の空気を読むことが苦手で
こう言ったら友達はどう思うかな?などと考えることが
できないお子さんでした。
いやなものは絶対にいや。やらないったらやらない。
一度爆発したらひーーーっ!となる。
もちろん友達ともうまくいかず,
「Aちゃんはわがままだからキライ。」
なんて言われることもよくありました。
彼女との出会いについて興味のある方はHPの方をご覧ください。
⇒http://homepage2.nifty.com/aki_escl/
彼女はいろいろな問題を抱えていましたが,
担任として一番困ったことは苦手なことがとても多かったことです。
苦手なことをやらせようとすると
泣いたり,わめいたり,物を投げたり,ひっくりかえったり,
帰ろうとしたり,校長先生に「あの先生やめさせて。」と言ったり,
「先生に殺される!」と叫んだり,ノートをやぶいたり,
すごいことになるのです。
4月当初は,ただただ驚き,戸惑うだけでした。
正直なところ,
その子がいる限り,学級はうまくいかないとさえ思いました。
その子の良さがわからなかった。
どうしたらいいのかわからなかった。
叱ることしかできなかった。
叱る→泣きわめく→もっと叱る→もっと泣きわめく
こういう悪循環の一途をたどったのです。
1学期中はわたしも彼女も毎日教室で格闘しました。
わたしも彼女も一緒に泣き,疲れ果てていました。
そんなとき,最初にアドバイスをくれたのは
特別支援学級のK先生だったのです。
「Aちゃんはアスペルガーじゃないかと思うの。
アスペルガーって知ってる?」
アスペルガーという言葉は聞いたことがありました。
でも具体的にどういう困難さがあるのか,
どう対処したらいいのかは全くわからず,
戸惑うばかりでした。
そのすぐ直後に,近くで講演会があり,
そこでもアスペルガーの話を聞いて
「彼女みたいだ。」と思いました。
胸がずきずきするような話ばかりでした。
ある日の放課後,
K先生が穏やかに言いました。
「ねぇ,Aちゃんが本当に掃除ができなかったらどうする?」
「掃除ができないって…?どういう意味ですか?」
「そのままの意味よ。掃除ができないの。どうしても。」
「え?なにかの事情があって?」
「そう。例えば手足が不自由で掃除ができなかったら?」
「それは…その子にもできることを考えてさせると思います。」
「でしょう?Aちゃんがアスペルガーだとしたら,
手足が不自由じゃなくても,目に見えない障がいはなくても,
本当にできないんじゃないかしら?つまりね,それほど
彼女にとって,掃除というものは苦痛で辛いものってこと。」
「でも,できると思いますよ。やろうと思えば。」
「そう,そこなのよ。だから辛いの。そう思われちゃうから。」
「そう思われちゃうって?」
「頑張りがたりないだけだって。わがままなだけだって。
アスペルガーの子はそう思われちゃうの。」
「………違うんですか?」
「違うの。違うのよ。わがままなんじゃないの。
本当に彼女にとって,それはわたしたちが理解できないほどの
苦手意識や困難さが伴うものなのよ。」
それからわたしは,アスペルガーやADHDの勉強をするために
講演会へ行ったり,本を読んだり,
児童相談所に行ったりする日々が始まった。
※ 時間がないので,この続きは次回また書きます。
秋のHP『言葉のチカラ』に載せたことがありますが,
今日はその子について書きたいと思います。
彼女とは3年生の時に出会いました。
その時にはまだなんの診断もされていませんでしたが,
彼女の特徴はアスペルガーそのものでした。
場の空気を読むことが苦手で
こう言ったら友達はどう思うかな?などと考えることが
できないお子さんでした。
いやなものは絶対にいや。やらないったらやらない。
一度爆発したらひーーーっ!となる。
もちろん友達ともうまくいかず,
「Aちゃんはわがままだからキライ。」
なんて言われることもよくありました。
彼女との出会いについて興味のある方はHPの方をご覧ください。
⇒http://homepage2.nifty.com/aki_escl/
彼女はいろいろな問題を抱えていましたが,
担任として一番困ったことは苦手なことがとても多かったことです。
苦手なことをやらせようとすると
泣いたり,わめいたり,物を投げたり,ひっくりかえったり,
帰ろうとしたり,校長先生に「あの先生やめさせて。」と言ったり,
「先生に殺される!」と叫んだり,ノートをやぶいたり,
すごいことになるのです。
4月当初は,ただただ驚き,戸惑うだけでした。
正直なところ,
その子がいる限り,学級はうまくいかないとさえ思いました。
その子の良さがわからなかった。
どうしたらいいのかわからなかった。
叱ることしかできなかった。
叱る→泣きわめく→もっと叱る→もっと泣きわめく
こういう悪循環の一途をたどったのです。
1学期中はわたしも彼女も毎日教室で格闘しました。
わたしも彼女も一緒に泣き,疲れ果てていました。
そんなとき,最初にアドバイスをくれたのは
特別支援学級のK先生だったのです。
「Aちゃんはアスペルガーじゃないかと思うの。
アスペルガーって知ってる?」
アスペルガーという言葉は聞いたことがありました。
でも具体的にどういう困難さがあるのか,
どう対処したらいいのかは全くわからず,
戸惑うばかりでした。
そのすぐ直後に,近くで講演会があり,
そこでもアスペルガーの話を聞いて
「彼女みたいだ。」と思いました。
胸がずきずきするような話ばかりでした。
ある日の放課後,
K先生が穏やかに言いました。
「ねぇ,Aちゃんが本当に掃除ができなかったらどうする?」
「掃除ができないって…?どういう意味ですか?」
「そのままの意味よ。掃除ができないの。どうしても。」
「え?なにかの事情があって?」
「そう。例えば手足が不自由で掃除ができなかったら?」
「それは…その子にもできることを考えてさせると思います。」
「でしょう?Aちゃんがアスペルガーだとしたら,
手足が不自由じゃなくても,目に見えない障がいはなくても,
本当にできないんじゃないかしら?つまりね,それほど
彼女にとって,掃除というものは苦痛で辛いものってこと。」
「でも,できると思いますよ。やろうと思えば。」
「そう,そこなのよ。だから辛いの。そう思われちゃうから。」
「そう思われちゃうって?」
「頑張りがたりないだけだって。わがままなだけだって。
アスペルガーの子はそう思われちゃうの。」
「………違うんですか?」
「違うの。違うのよ。わがままなんじゃないの。
本当に彼女にとって,それはわたしたちが理解できないほどの
苦手意識や困難さが伴うものなのよ。」
それからわたしは,アスペルガーやADHDの勉強をするために
講演会へ行ったり,本を読んだり,
児童相談所に行ったりする日々が始まった。
※ 時間がないので,この続きは次回また書きます。


